2005.05.06

ちびくろサンボ

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最近この児童書が人種差別問題(黒人差別)を乗り越え、4月に復刊していたという事を知って驚きました。
私は小さい頃この本を知り合いの人から譲って貰い、それ以来ずっとこの本が大好きです。なのでこういった問題を抱えていたことを知り大変ショックでした。物語はまったく差別的なものではなく、純粋な児童書です。

サンボはお母さんとお父さんから貰った傘と靴と服を着てジャングルへ散歩に行きますが、四匹の虎たちにそれらを奪われてしまいます。このときのサンボの思いつきがユニークで、四匹めの虎に傘なんて使えないじゃないかと言われたときは「尻尾に巻けばいいじゃない」と話し、襲われず助かることが出来ました。
そして虎たちはサンボから奪ったものを身につけ「俺のが一番素敵だぞ!」と主張し喧嘩をはじめますが、しまいには奪ったものも投げ捨てて喧嘩に夢中になり、椰子の木のまわりをお互いの尾に噛みつき輪になって廻りはじめます。
その隙をみてサンボは奪われた傘や服を取り戻そうとするんですが、サンボは礼儀正しい子なので、しっかり「まだいりますか?もっていきますよ」と断ってから持っていってるんです。偉い!
くるくる回っていた虎たちはそれを見て怒りますが、くわえた尾を放す気配はなく、輪はどんどん加速していきます。すると虎は溶けていき、バターになってしまいました。何故バターなんでしょうね?この発想もまたユニークです。
そしてこの虎バターをお父さんが壷に入れて持ち帰り、そのバターでお母さんがパンケーキを揚げ、晩ご飯にみんなでパンケーキを食べるんですが、またここがユニークなんですよ。
普通なら、パンケーキを30枚くらいたべました…で済ませるところですがここではあえて細かく、お母さんは27枚、お父さんは55枚、サンボは169枚食べたと書いてあるんです。くっきり区切ってないから、そんなに食べたんだなぁーって想像するのが楽しい数字でしょ。

大人の問題なんて子供の目からしたら、まったく大したことがないどうでもいい問題であって、むしろこの本を読ませてあげることの方が子供にとって大事なんじゃないかな。
たとえば、サンボみたく上手に話せるようになれたらいいなとか、ジャングルに行ってサンボみたいな子と友達になりたいなとか、虎バターのパンケーキはどんな味だったのかなとか…子供はそういうことを考えたり想像することが好きだし、読ませることによって逆に偏見とかも無くなるんじゃないかなって思う。
子供の頃読んでた本の影響って強いと思うな。私はずっとインディアン(アメリカ原住民)が悪者だと思ってたからね。
昔の私がそう感じたように、「サンボみたいな子と友達になりたい!」っていう子がたくさん増えたらいいな。


>追記
調べていたら、Ruto-Rigo Blogさんのこちらのエントリで、オリジナル版が紹介されていました。どうやら続編が入っていたようなんですが、私が持っているものは「ちびくろミンゴ」が入っている旺文社のものです。挿絵も違うし、オリジナルとはずいぶん違うみたいですね。
更に、葦岸堂さんのこちらのエントリを読んで驚いたのが「海賊版」です。
 つまり、この絵本、ヘレン・バナーマンさんのオリジナルからすると、海賊版の上塗り状態なのですね。

1)1927 マクミラン社が、イラストをドビアス作に付け替えた。
2)1953 岩波がドビアスのイラストを切り貼りして絵本の構成として改変した。
3)2005 瑞雲舎が岩波に断りもなく岩波版をそのまま復刻した。(2の改変作業に岩波の編集著作権を認めるとしても出版後50年の2003年で著作権は期限切れですが。)

・・・とのことです。つまり私が持ってる旺文社のものは海賊版(みたいなもの)ってことか…。海賊版持ってるっていうのはあんまりいい気がしないですよね(笑)
だからといって今更昔のオリジナルを手に入れたいってわけでもないですが、一冊の絵本を巡ってこんなに様々なことが起っていたとは思ってもいませんでした。
だからこそ、この作品を沢山の人に読んでもらって、これからはずっと大切にしていきたいですね。
posted by まめ at 00:53 * 千葉 ☁ * Comment(0) * TrackBack(0) * むくちをなおすほん

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